2年前に↓の記事を書いた。 (元記事はnoteに書いていたが、noteから撤退したのでそのクローン記事)
2020年までの数年間は、日本シリーズでも交流戦でもパリーグが圧倒的な成績だったため、「リーグ間の実力差が歴然だ」「その原因は指名打者制度のあるなしだ」「だからセリーグも指名打者制を導入すべきだ」との話が進んでいた頃だ。
自分は、本当にそうなのか?指名打者制がないことがセリーグの面白さの1つなのに、そんな簡単にやめていいのか?と思い考察してみた結果、やっぱ違うやろとの結論だった。
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あれ?指名打者導入論どこいった?
それから2年、そういや最近指名打者云々の話を聞かないな?とちょっとネットサーフィン(最新流行語)をしてみたら、コミッショナーから提言があったり、監督会議で議題に上がったりはしているようだ。
これまでは巨人のみが導入賛成だったが、今年の監督会議では中日も試験的に導入してみたは?と賛成に回ったようだ。ただ、残り4球団は反対のままだ。
…と一応記事にはなっていたが、そもそもこの話題自体が大きく取り上げられていない印象だ。
やっぱりこれはヤクルトの影響なのかなぁ?
日本シリーズは久々にセリーグに軍配
とりあえず、2年前と同じ基準でデータを取りなおしてみた。まずは日本シリーズ。
※グラフ上がパリーグ勝利、下がセリーグ勝利
※青線はドラフトが導入された年、赤線はパリーグが指名打者制を導入した年を示す
ご存じのとおり、2021年にヤクルトが日本一になった。セリーグのチームが日本一になるのは2012年以来9年ぶりとなる。多分この時点で指名打者制導入論はかなり弱くなったのではないかと。
「翌年はまたパリーグが勝っている。2021年はたまたま勝っただけ。」とも言えるが、じゃあ8年連続でパリーグが勝っているのもたまたまなのでは?とも言える。
2年前の記事にも書いたが、指名打者制の効果が出るまで38年もかかっている、むしろドラフトの方が戦力均衡化に寄与しているんじゃないの?との考察は変わらない。
交流戦はセリーグが勝ち越し
※2020年は感染症の影響で中止
そして交流戦については、この2年はほぼ五分ではあるがセリーグが勝ち越している。2022年はヤクルトが優勝もしている。2021年も優勝こそオリックスだが2~5位はセリーグ球団だ。
これでもセリーグは弱いというのか?少なくともパリーグと同等の力なのでは?
アメリカのユニバーサル指名打者制は戦力均衡は関係ない
アメリカでは、感染症騒動があった2020年に選手の負担軽減を名目にナリーグが試験的に指名打者を導入、そして2022年からは正式に指名打者制が採用されることとなった。
これはナリーグが弱かったからではない。詳細は前回の記事を見て欲しいが、ワールドシリーズの成績はほぼ五分だ(インターリーグは均等なカードではないのであまり参考にならないし、近年はナリーグの勝ち越しもある)。
オーナー側としては野球人気の回復のため、選手側としては自身の食い扶持の確保のため、どうやらそれが導入の理由らしい。
ホームランがバンバン出るような面白い(と彼らが思っている)試合が増えるといいなぁ?と思うオーナー、俺もうジジイで守備つらい打つだけにしたいと思ってる選手、その他諸々あって、労使間で利害が一致したのかなと。あと、大谷の出現も関係しているかも。
やっぱり結論はかわらない
別に指名打者制を導入しても構わない。理由もなんでもいいのだが、少なくとも理にかなっていてほしい。だが「リーグ間格差」は違うやろと。
パリーグの指名打者制導入は、セリーグに比べて人気のなかったパリーグの独自性を出すためだった。今では指名打者制を採用しているリーグが多くなったため、むしろセリーグの方が希少となっている。そのあたりはどうお考えなのだろうか。ナリーグの指名打者制採用に大谷の出現が関係あるかも?と書いたが、大谷の出現により投手も打者の1人として計算できるようになり、これはむしろ指名打者をなくす方向になってもいいのでは?と考えることもできるなと。
「アメリカもやってるんだが早く導入しろ」との意見も多いが、あのイチローは「アメリカに追従する必要などない」と言っているぞw
追記(2023年7月11日)
今年も交流戦が終了した。
優勝争いは4チームが11勝7敗で並ぶ大混戦だったが、得失点率の差で優勝は横浜DeNAベイスターズとなった。全体の対戦成績はパリーグの54勝52敗2分。
これでもまだ実力差があると言えますか?
追記(2023年11月6日)
日本シリーズは阪神が4勝3敗でオリックスに競り勝ち、85年以来の日本一となった。
ちょっとしたことで流れがどちらに行ってもおかしくなかったシリーズで、非常に見応えがあったかと。
さて、日本シリーズもセリーグが勝ちましたが、これでもまだ実力差があると言えますか?
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